しゃべる魚


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しゃべる魚 [Collectible]
トニーは兄と一緒に海で漁をするため、テーブルほどの大きさの漁網を作った。しかし、海へ出たその日、たった1匹しか魚が捕れなかった。トニーはがっかりしながら家路についた。家に帰った後、捕った魚を水槽の中にいれると、なんと魚がしゃべり出した。魚はトニーに「網が大きいほど、捕れる魚は多くなる」と言った。魚の話を聞いたトニーは、部屋で熱心に漁網を作りだした。兄がそんなに欲張るなと忠告したが、トニーは聞く耳を持たなかった。巨大網の完成後、トニーはそれを持参して兄と一緒に海へ出た。そしてやっとのことで巨大網を海の中に投げ入れた。これできっと船いっぱいの魚が捕れると、トニーは考えた。そう思うと彼はうれしくて笑いが込み上げてきた。網を引き揚げる時期になり、トニーは網を引っ張ると、手に尋常ではないほどの重さを感じた。そして船ごと一緒に海底へと転覆した。兄は1人で家に戻ると、しゃべる魚が家の中から消えているのに気づいた。